2012年04月22日

主観的把握と客観的把握

いろいろと立て込んでいた仕事も一段落しそうです(情報処理試験は残念ながら不戦敗)。今日は久々に読書。読んだのは『ひつじ意味論講座〈5〉主観性と主体性 [単行本] / 澤田 治美 (編集); ひつじ書房 (刊)』から「日本語と主観性・主体性」です。一読しても理解できないところもあり、ブランクを感じますね(歳を取ったといううこともありますが……)。備忘録として少し記録しておこうと思います。

事態把握(construal)には「主観的把握」と「客観的把握」があるとの話。この理論的枠組みを用いて、事例を考察しています。

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。(川端康成『雪国』)
The train came out of the long tunnel into the snow country.(E. Seidensticer訳)
―― p.55


日本語の原文は主観的把握がなされており(情景がどのように変化していくのかを体験的に語るという構図)、英語訳では客観的把握がなされている(トンネルを出て自分のところに向かってくる汽車を眺めるという構図)。これは文化的な問題かというと、そうでもなく、著者によると、外国語訳にはどちらのパタンもあるそうですね。

事態把握」の研究としては、わざわざ翻訳を選ばなくてもいいわけですが(例えば、ある状況を言葉で説明してもらい、主部と述部に着目して研究するとか)、個人的には翻訳を題材にして分析することに興味があるので、この論文を読んでいます。

こういう事例を発見するのって確実なのは自分で対訳コーパスを作成することかな(読書好きな人からすればものすごい効率の悪いやり方だと思いますが)。例えば日英で単語対応をしてみようとすると、上記に事例は意訳されているので、完全な対応は無理ですね(「長いトンネル」と「雪国」はできますが)。

個人的には文学作品以外でこういう事例を探したいところです。それはまた別の機会にしておきますか(その機会があるかどうかわからないのが悲しいところですが)。


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2012年02月05日

理論言語学講座

東京言語研究所から2012年度の理路言語学講座要項が届いていました。今年は久しぶりに受講しようかなという気分になっています。受講を考えて居るのは、「認知言語学U」と「言語の脳科学」です。前者は「事態把握と翻訳研究」という副題で、まさに私が今年勉強しようと思っていたことなので、これは受講しなければと思った次第です(笑)。後者は「言語の脳科学」について予備知識なしでもわかるような講義のようですね。

ちなみに、本年度の講義に先立って2012年度春期講座があります。そこでも翻訳に関する授業(認知言語学)があるようです。以下、、2012年度春期講座からの引用です。

発話に先立って、言語の<話者>は自らが言語化の対象とする<事態>について、そのどの部分を言語化し、どの部分を言語化しないですますか、そして言語化の対象とする部分については、それをどのような視点で捉えるか、などの判断を発話の場における自らとの関連度に配慮しつつ、主体的に決定する。

…略…

同じ<事態>が言語という媒体を通してさまざまに異なる様相のものとして意味づけられ、変奏されうる――翻訳の具体例によって、言語に内在する<ゆらぎ>の本質を探ってみたい。


春の講座も土日なので、行ってみようかと思ったのですが、4月15日は情報処理試験なので、ちょっと難しいかな。土曜日だけなら参加できるか……。春講座はちょっと保留ですね。

目の前の仕事を片付けなければいろいろとまずいことになるので、とりあえずは仕事中心の毎日になりそうです。仕事+勉強とバランスよくというのは難しいのですが、8対2(できれば7対3)ぐらいにしたいと思います。
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2012年01月19日

くろしお言語大学塾とは?

記事のタイトルですが、職場で調べ物をしていて偶然発見しました(以前にも見たことがあったような気がしますが)。

くろしお言語大学塾とは?

言語学分野でご活躍の著名な先生による講義の配信と皆様が書き込んだコメントによりすぐれた書物を創り出すゼミナールの試みです。


仕事中でしたのでじっくりと見ることはできませんでしたが(笑)、面白そうな講義が並んでおります(西光教授)。講義は次のとおり、言語類型のお話が今後の予定のようですね(2012年1月19日現在)。


西光義弘
神戸大学名誉教授


ひとりごとの言語学
「する」言語と「なる」言語を考え直す
言語接触のタイプ
類別詞(助数詞)を考える
「つくる」の辞書項目サンプル
「とどく」の辞書項目サンプル
認知スタイルと言語類型(予定)


辞書や言語類型論は言語に興味のある人なら楽しめると思います(まだ見ていませんが)。仕事の息抜きに拝聴いたしましょうか。
タグ:言語学
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