2012年06月30日

動詞と捉えるか、名詞と捉えるか

最近、次のような言い換えができる動詞が面白いなーと思いました。特に調査はしていないのですが(笑)。

 「霞む」=「霞が立つ」
 「霧る」=「霧が立つ」

特に自然現象をどのように捉えているのかというところが興味深いです。「霧る」なんて現代ではほとんど使われないですからね(それでも辞書に登録がある)。『広辞苑』を見ると、「霧り合う」「霧り渡る」「霧り塞がる」なんて複合動詞も登録されいます(古語辞典にも登録されていますが、広辞苑を除く現代の国語辞典にはほとんど登録されておりません)。

以前、新動詞「○○る」の調査 [日本語大シソーラス]というタイトルで名詞から動詞に転換される語彙について書きましたが、これは動詞から名詞への転換されているのかもしれませんね。

現象全体と捉えるのか、現象個体と捉えるのか、そういう捉え方の違いが見られます。そのうち、こういう捉え方の違いを統計的に調査したいところです。あと、辞書の比較も……。

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2012年06月10日

実証的な研究法

実証的な研究方法について調べるため、。認知言語学研究の方法―内省・コーパス・実験を読みました。方法論については学んでないともいえなくもないのですが、本書のようにまとまっているのはありがたいことです。実証的な研究方法で卒論や修論を書きたい学生さんはもちろん、指導する側にも参考になる一冊だと思います。私としては業務にも応用できそうなことを見いだしたいところです。報告書を書く際に参考にできればと思います(報告書を書くのにあまり時間をかけられないので、本格的なことはできないのが悲しいところですが……)。

実証的な研究法については本書の第一章にまとめられております。項目は以下のとおりです。

第1章 実証的な研究法
 1.1 実証的に研究を行うということ
 1.2 言語研究の3つのレベル
 1.3 認知言語学の目的と研究手法との関係
  1.3.1 現象の発見と観察
  1.3.2 記述の一般化
  1.3.3 現象に対する理論的説明

言語研究は、実証的な研究法だけではないという断りを入れて、本書では実証的研究法の必要性を説いています。本書でいう実証的研究法は引用すると、以下のとおりです(p.3)。

実証的研究法には、 (a) 実際の現象、つまり観測対象をどのような手段で入手するか、 (b) どのような方法で観察・測定を行うか、 (c) データとしての観察・測定結果はどんな性質を持つかといった点で様々に異なるものがある。


1.2節では実証的研究における言語研究を3つのレベルを示しています(pp.4-5)。

  1. そもそも現実的に生じている言語現象のどの部分をどのように切り取って研究を進めればいいのかという問題がある。

  2. 自分が取り上げた言語現象がどんなパターンを持っているのかを見いだし、記述することが必要である。

  3. 言語について体系的な理解を得るためには、なぜ言語がそのようなパターンを持つのか、言い換えるとそのパターンを発現させている原理やメカニズムは何なのか説明する必要がある。


1つ目は1.3.1節の現象の発見と観察、2つ目は1.3.2節の記述の一般化、3つ目は1.3.3節の現象に対する理論的説明で記述されております。

個人的には1つめと2つめは身につけておきたいところです。特に記述の一般化は簡単なようで実際にやるとなかなか納得のいかないことが多いですね。ある程度、仮説を立てて行いと、終わりが見えてこないかもしれませんね。仕事で報告書やレポートでまとめる場合、そこまで丁寧に扱うことができないことが多いのですが、提出するかどうかはさておきまとめるだけまとめておきたいところです。職場では同意が取れないかもしれませんが(苦笑)。

第一章のまとめとして、本書の目的が次のように書かれております(p.9)。

三段階のそれぞれについて、おのおのの段階で何を目指し、何を行うのか、また各段階をどうつなぎ合わせるかを提示することがこの本の目的である。

三段階というのは「現象を発見し特定すること」「現象に対して(有意義な一般化をもたらす)一貫性と一般性のある記述を与えること」「言語現象(あるいは一般化された記述としての規則性)に対して説明を与えること」のことで、それぞれ1.3.1節〜1.3.3節に書かれております。

自分が学生だったときに出版されていればありがたかったわけですが、週末研究者として本書を参考に実践してみようかと検討中です。翻訳学と絡めて分析ができればいいのですけれど……。


posted by unendedchaos at 10:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 言語学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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